イギリス/England:2017

20.家族会 その2。

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子供たちは仲良く騒がしく遊んでいた。ブロックとかで。小さいZがいたので、今回竹とんぼやけん玉はなし。
Hはいつもお姉ちゃんにやっつけられてるせいか、自分より年下の子と遊ぶのが楽しいらしく、
ご機嫌で、「ザッキー!おいでー!」と盛んに言っていた。

ZはZでおもちゃのショッピングカートがお気に入りらしく、
そこに薬の空き箱たくさん(遊び用に取っておいてるらしい)を出したり入れたり、出したり入れたりを繰り返す。
全部カートの中に入れて「すごーい!」って言ったりすると、そのそばから逆さまにして全部出すので、
Z本人にとってはパズルみたいなものなのかもしれない。

Zはきちんとした子で、連れて歩くドギー(犬のおもちゃ)もちゃんと立っている状態にわざわざ直してから
引っ張って歩く。慎重な子。うーん、子供が3人いるだけでそれぞれ個性があって面白いな。
Hは「カドリーボーイ」と言われていた。あとで辞書も引いたんだけど、その場のニュアンスからすると、
「甘えん坊」「ひっつき虫」というような意味に思えた。

Eが2階から古い本を持って来た。「何の本?」って訊くと、「ロイの」と小さい声で答える。
ロイが昔から愛用していたハンディタイプのイラスト付きの鳥類図鑑らしい。
落とした時の用意なのか、ロイの名前と住所が書いてある。
ああ、懐かしいロイの字だ。細かくて几帳面なロイの字。
同じ本を見ていたイアンが「ロイの字だね。きれいな筆跡だった」と言っていた。

ロイは独身だったし、甥っこたちを相当可愛がっただろうな。
後日Pから送られて来た写真の中に「ロイがよく釣りにつれて行ってくれた場所」で
イアンがZと一緒に写っている写真があって、……亡くなって何年も経って、孫たちはロイのことを
直接的には知らないのに、こうやって言い伝えられていくんだなあ……と感慨深かった。

隣にEを座らせてわたしは言い聞かせる。
「わたしは英語を上手にはなれないから、Eはこれから日本語を勉強して上手になって、
18才になったら日本に来るんだよ」
うんうん、とEはうなづく。早期教育。早期洗脳。

その話をあとでPとJにしたら「18才は早いんではないか」と言われた。
でも18才だと大学入学して……んー、まあ、そうね、わたしが旅を始めたのも20才頃からだし、
20才でもいいか。

デイヴィッドが疲労困憊してソファに横になっていたので、写真を撮った。タイトルは、
「The English tired Daddy」。

イアンは子供たちと遊ぶのが上手くて子供たちに大人気。「イアンのことを何て呼ぶの?」と訊いたら、
やっぱりアンクル・イアンなんだって。ちゃんとアンクルがつくのね。
子供鈴なり。右手にEがいて、左手にHがいて、3番目にZがダディのところに行くと、どっちの腕もふさがっている。
奥さんのルシンダが「ちゃんとZも抱いてあげて!」と言う。腕が3本ないと難しい。
最終的にはEとHをデイヴィッドが、Zをイアンが抱いて収まった。

ルシンダは今妊娠中。1月出産予定。今度は女の子なんだって。
デイヴィッドの奥さんのレイチェルが助産婦さんなので、おそらくその件で長いこと話し込んでいた。

宴もだいぶ進んだところで、彼の気のゆるみを見計らってZのそばに行き、
「ザックザックザック~!」と言いながら指を口元でわちゃわちゃやってみたら、けっこうウケた。
ので何回かやったらZが抱き着いてきた。
「Zが知らない人に自分から寄っていくのを初めて見た」と家族内に驚きが走る。
その勢いで、ルシンダが「Moにキスする?」と訊いたら、ほっぺたにキスしてくれた。
や~ん、かわいい~~~~~。
おお!とみんな驚く。「おじいちゃんにもなかなかしてくれないのに!」とJ。

わたしは調子にのって、みんなが帰る時にEとHに「キスしてくれる?」と訊いたら、「yes」といってしてくれた。
……ところでこういう時の「してくれる?」英語はどんなんでしょうね?
ルシンダがたしか「do you kiss Mo?」とZに訊いていたので、わたしもdo you構文で訊いた気がするが。
could you?give me?まあ通じたからいいんだけども。
そして挨拶キスという文化がない日本から来たわたしは、自分からはキスしてないのだが、
これはやっぱりお互いにキスをするところだったでしょうね?と後で思った。

デイヴィッドの車はHONDA。「HONDAは最高だね!」とお世辞を言って彼らは去っていく。
ちょっとさびしい。

また会えるかなあ。子供たちに。
何年後かなあ。あと5年もすれば子供たちはそれぞれ忙しくて、わたしの相手なんてしてくれないかもしれない。
(すでに老人的ヒガミ根性が出ている)
まあ5年後行ったとしたら、その頃まだ7才のZと今後生まれてくる○○ちゃん(名前未定)に期待しましょう。

その後、絵具を片付けていたら「Moも何か描いて」とPに言われ、描いたのがこの絵。
わたしはマジだ。
絵具で絵を描くなんて……中学校以来じゃないのか。高校は音楽選択だった。
そしてわたしには絵心はまったくない。まあこんなところだろう。

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